工場の建築費が知りたい!坪単価・相場などまとめ

公開日:2023/12/01 最終更新日:2024/03/18

建設費

工場の建設には、莫大な費用がかかります。品質や納期との兼ね合いもあるため、慎重に検討する必要があります。

しかし、品質とコストが釣り合っているかどうか見極めるのは難しいものです。そこで、今回は向上の建築費の相場や坪単価について詳しく解説していきます。工場の建設を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

工場建設の坪単価は単純に比較できない!

工場の建設を検討中の方が最も気になるのは、工事費用の相場や坪単価についてではないでしょうか。しかし、工場を建築する際の坪単価は、住宅のように単純に比較できるものではありません。

各建設会社では工場建設に関わる坪単価を公表していますが、実際の見積もりと見比べると、坪単価の相場よりも高くなるのが一般的です。

その理由としては、「建設会社によって見積もりの範囲が異なるため」「構造や仕様によって異なるため」「地域差があるため」「個々のケースを見ないとわからない点があるため」という4つが挙げられます。

工場建設の坪単価が比較できない理由

工場建設に関わる坪単価が比較できない理由を具体的に解説します。

建設会社によって見積もりの範囲が異なるため

建設会社によって、見積もりに含まれる内容やオプション工事の範囲が異なることが、一つの理由として挙げられます。見積もりを作成する際の基準は、建設会社によってまちまちです。

工場に電気設備や空調、セキュリティーなどのオプションをつける場合は、坪単価よりもはるかに高いコストがかかります。そのため、面積などの条件をそろえたとしても、見積もりを単純に比較することは難しいと言えるでしょう。

構造や仕様によって異なるため

構造や仕様によって、工場の建築費は大きく異なります。たとえば、木造もしくは鉄筋、鉄骨といった違いだけでも費用が異なります。

また、在来工法もしくはシステム建築といった建築方法の違いも坪単価に大きく影響します。さらに、建設会社が公表している坪単価が、すべての工法・構造の平均値だった場合、坪単価と見積もりの金額は大きく乖離するでしょう。

工場建築プロジェクトを進める際には、これらの要因を考慮し、正確な見積もりを取ることが重要です。

地域差があるため

坪単価は、地域によっても差があります。2022年における工場の建築費の水準を都道府県別で見比べると、最も高い水準は佐賀県の151.1万円/坪で、次点が東京都の146.6万円/坪となっています。

一方、坪単価が最も低い水準なのは秋田県の51.5万円/坪、次に香川県の52.8万円/坪です。つまり、最高値と最低値とでは、3倍近い差があることがわかります。

そのため、全国平均の82.0万円/坪を基準に検討したとしても、建設予定地によってはズレが生じる可能性があります。事前に大まかな予算を決める場合には、建設予定地の地域の坪単価を参考にするようにしましょう。

ちなみに、東京都における工場建築費は、2022年146.6万円/坪とされており、過去10年間で最も高い金額となっています。2011年には55.6万円/坪と底値でしたが、その後3年連続で上昇し、2015年には75.1万円/坪と下落に転じています。

このように上昇と下落を繰り返しながら推移し、2022年には過去最高水準にまで上昇しています。

個々のケースを見ないとわからない点があるため

建物の面積が同じであったとしても、建物の形状や高さ、柱の間隔などで費用は変動します。そのため、建物の坪数で計算したとしても、実際の費用と大きな差が生まれる可能性があります。

一例として、面積が100㎡の場合を考えてみましょう。形状が10m×10mと考えると、外壁の外周は40mになります。

一方で、40m×2.5mと考えると、面積は同じ100㎡であるにも関わらず、外壁の外周は85mと異なります。面積は同じであっても、外壁の費用に2倍以上の差が生じることになります。

そのほかにも、地盤の状態もコストに差が出る要因の一つです。地盤が弱かったり、場所によってばらつきがあったりする場合は、地盤改良や杭工事などの対策が必要となるからです。その際、コストもさらにかかることになります。

構造別工場の建築費の坪単価

前述したとおり、工場の建築費は構造によって坪単価が大きく変動します。そこで、2021年に国土交通省が公表した「建築着工統計調査」を基に、構造別の坪単価について解説します。

木造

木造の工場の平均坪単価は、45.0万円/坪です。今回紹介する4種類の構造の中では最も低価格です。

木造建築というと住宅をイメージする方も多いかもしれませんが、近年は新たな工法が開発されたり、高性能の建材が生まれたりしたことから、工場や倉庫での採用例が増えています。

また、国を挙げて国産木材の活用を後押ししていることから、東京五輪・パラリンピックの会場となった国立競技場も木造で建てられています。

木造で建てられる工場というと酒造工場などが一般的ですが、自動車整備工場でも採用例があります。また、倉庫に関しては2割近くが木造で建築されており、工場や倉庫において決して珍しい構造ではありません。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の工場の平均坪単価は、141.9万円/坪です。鉄骨鉄筋コンクリート造は、木造に比べて大掛かりな工事が必要となるため、その分コストが高い傾向にあります。

鉄骨鉄筋コンクリート造とは、鉄骨の周りに鉄筋を組み、コンクリートを施すという構造です。鉄筋コンクリート造よりも細い柱で、十分な強度を実現できます。

大規模な建築物で用いられることが多く、大型の工場や倉庫で採用実績があります。鉄骨鉄筋コンクリート造は工期が長く、設計上の制約が多いというデメリットがありますが、一方で耐用年数が長く、耐震性や防火性に優れています。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造(RC造)の工場の平均坪単価は、202.5万円/坪です。構造ごとに比べると、最も単価が高い構造です。

鉄筋コンクリート造とは、柱や梁、床が鉄筋とコンクリートにおって構成されたものです。非常に頑丈な作りであり、耐久性や耐震性、耐火性が優れています。

また、気密性や防音性が高いのが特徴的です。ただし、鉄筋コンクリート造で作られた建築物は重量が重いため、ケースによっては地盤改良が必要となります。

優れた気密性から、空調管理が必要な業態に最適です。とくに薬品や精密機器を取り扱う工場は、鉄筋コンクリート造がおすすめです。

鉄骨造(S造)

鉄骨造(S造)の工場の平均坪単価は、69.3万円/坪です。全構造の平均71.8万円/坪と近いことからもわかる通り、国内の工場の9割以上が鉄骨造でできています。

鉄骨造には、大きく分けて「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類あります。軽量鉄骨造では、厚さ6mm以下の鉄板を使用するのに対して、重量鉄骨造では6mm以上の鉄板を使用します。

工場においてはどちらも採用実績があります。軽量鉄骨造は、工場で材料を規格製造し、現場で材料を組み立てていきます。

そのため、工期が短いというメリットがあります。なお、重量鉄骨造も比較的工期が短い工法です。

また、鉄骨造には、オーダーメイド型の「在来工法」と規格製品を使用する「システム建築」の2種類あります。希望条件が規格内でまかなえるのであればシステム建築がおすすめですが、独自のレイアウトで建設したいという場合には在来工法が適しています。

坪単価に含まれない別途工事について

坪単価は、標準工事の内容で算出されます。標準工事の内容は、会社ごとに異なりますが、基本的には「電気や水道の接続」「地盤改良・杭工事」「外構工事」「地中埋設物等の撤去」「解体工事」などは含まれないことがほとんどです。

なお、建設予定地の地盤調査が既に行われている場合は、地盤改良や杭工事にかかる費用を正確に把握することができますが、そうでない場合、金額が大きく上下します。これらのオプション工事について費用を確認したい場合は、各建設会社に見積もり請求するのがおすすめです。

総工費の目安

工場建設において、実際にかかる費用の平均はオプションを含めていくらなのか気になる方が多いでしょう。2021年に国土交通省が発表した「建築着工統計調査」によると、全構造合わせた平均費用は、2億2840万円とのことです。

ただし、当然ながら規模や構造によって金額は大きく異なります。木造の小規模な工場から鉄筋コンクリート造の大規模な工場までを合わせて導き出したこの金額は、あくまでも平均値であり、目安というよりは参考程度に考えましょう。

また、構造ごとの平均費用を比較するという方法もおすすめできません。なぜなら工場は、構造によって1棟の平均面積にバラつきがあるため、そのまま比較することが難しいからです。

たとえば、平均面積が最も広い鉄骨鉄筋コンクリート造は、最も小さいとされるコンクリート造の約60倍です。同じ1棟といっても、広さが大きく異なるため、平均費用の比較にはあまり意味がないと言えるでしょう。

建設費用を抑えるには?

工場の建設には、莫大なコストが発生します。そこで、建設費用を抑えるための方法を5つ解説していきます。

構造・工法の変更

構造や工法を変更することで、大幅に費用を抑えられます。構造によって坪単価が異なるということは先ほどお伝えしました。

たとえば、低コストで建築することのできる構造への変更や在来工法からシステム建築への変更などによって、予算を抑えられます。ただし、システム建築の場合、コストカットを発揮できる形状や大きさには条件があります。

そのため、設計の段階で確認する必要があります。なお、在来工法であっても、柱のスパンを短くするなどの工夫でコストを最小限に抑えられます。

建物の規模・形状の変更

面積や高さなどの規模を縮小することで、建築費用を抑えることが可能です。たとえば、外壁の高さを10mから8mに縮小することで、外壁の材料費を2割削減できます。

そのほかにも、複雑な設計は費用がかさむため、建物の形状を単純化することでコストを節約できます。構造計算の結果を精査し、可能であれば梁や柱を小さくするという方法もあります。

また、空調機器や生産機械の需要率に応じて、電気容量の見直しといった方法も有効です。

建材・装備の変更

建材のグレードを見直すことで、コスト削減が図れます。建築費の6割は建築資材によって決まると言われています。

外壁や屋根などの大きな面積に使用する建材を変更することで、大きくコストカットできます。また、建築費用だけでなく、建物以外も含めた設備全体の費用をコントロールすることが大切です。

工場に設置する設備のグレードや規模についても見直してみましょう。ただし、温度調整が必要な業態の場合、建材のグレードを下げたことで外気温に左右されやすくなり、かえって光熱費が高くなってしまう可能性もあります。

また、製造機器のグレードを下げた結果、生産性が見合わなくなるというリスクがあります。建材や設備のグレードを変更する際には、工場稼働後のランニングコストや生産性も加味したうえで検討するようにしましょう。

工場建設費用補助金の利用

工場建設には補助金が利用できる可能性があります。たとえば、食品業者の場合、農林水産省が支給する「HACCP補助金」を活用できます。

また、製造業や情報通信業が物流などに関する工場や物流施設を建設する場合、経済産業省が支給する「サプライチェーン対策補助金」を利用できます。倉庫や工場の冷暖房機器や照明に対しては、資源エネルギー庁が「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」を支給しています。

工場に冷蔵機器を導入する場合、環境省から「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」の補助金を受けられる可能性があります。また、そのほかにも各自治体で補助金制度を整えています。

自社の業種や建物の用途が対応している場合は、ぜひ申請してみましょう。

納期を急がない

納期に余裕を持たせることで、建築費用を抑えられる可能性があります。納期を急ぐ場合、夜間の作業や人員の増員、機械の増加が必要となります。

その分コストが余分に発生するため、なるべく夜間の作業が不要になるようなスケジュールで検討しましょう。また、時間をかけるのは、工事期間だけではありません。

着工前の準備期間についても余裕のあるスケジュール感で進めていきましょう。業者の選定や建築工法など、あらゆる面からじっくりと検討することで、無駄を省略できます。

工場建設の業者選びの注意点

工場建設の業者を選ぶ際には、注意すべき4つのことがあります。それぞれ詳しく解説していきます。

坪単価ではなく総工費で比較

一つ目に、坪単価ではなく総工費で比較するということです。前述したとおり、坪単価に含まれる工事の内容は、施工業者によってさまざまです。

実際には、提示されている坪単価よりも高くなることがほとんどです。具体的には、内容工事費や空調費、電気工事費などが坪単価に上乗せされます。

また、工場の種類や建築予定地の立地状況などでも費用は変動するため、総工費で比較することをおすすめします。

複数の業者から相見積もりをとる

二つ目に、複数の専門業者から相見積もりを取るということです。価格はもちろん、工期などを比較することで、より良い業者を選定することができます。

また、一社ではなく、複数の業者に見積もりを取ることで、工場を建設する地域での相場を把握できます。なお、コストについては先ほどもお伝えした通り、全ての工事費用が含まれているか確認しましょう。

費用に関する説明が明快でわかりやすく、対応が丁寧な業者は信用できます。さらに、相見積もりを取る際には、アフターフォローの有無について合わせて確認すると良いでしょう。

工場の建築が完了したあと、不具合や心配な点が生じる可能性があります。アフターフォローについて体制が整っている業者であれば、安心して任せられます。

建設予定地の確認

三つ目に、建設予定地の用途地域を確認するということです。工場が建設可能な土地かどうか、建築前に確認する必要があります。

都市計画図を使って建築の可否を確認しておきましょう。土地は、都市計画法によって13の用途地域に分けられています。

エリアによって建築可能な建物の種類や規模、用途などが定められています。工場の建設予定地を探す際には、希望する規模や種類の工場が立てられるかどうか確認しておきましょう。

従業員の導線を考える

四つ目に、工場を建設する際には、従業員の使いやすさを考慮する必要があります。とくに精密機器や食品を取り扱う業態の場合、作業に入る前に従業員は着替えや手や腕の消毒、エアシャワーなどの準備を行います。

これらの設備と作業場が離れていると、衛生面でのリスクが高まります。また、土地に高低差が生じる場合には排水についても検討しなければなりません。

従業員の行動パターンから工場内の導線を検討し、より効率よく安全に働ける環境を整えるようにしましょう。

まとめ

今回は、工場の建築費について、坪単価や相場を紹介しました。工場の建築費は、一般的な住宅などとは違って一概に言い表すことはできません。

建設会社によって標準工事の範囲が異なるからです。また、工場を建築する際の構造によっても費用は大きく変動します。

国内の工場のほとんどは鉄骨造でできていますが、業態や業種によっては他の工法が向いている場合もあります。なお、構造別で紹介した坪単価には、付帯工事費が含まれていないため、検討する際には、総工費で比較することをおすすめします。

また、一社ではなく複数の業者で相見積もりを取ることで、建設予定地での相場が把握できます。本記事が参考になれば幸いです。

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